3.禁じられたキャンバス

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どうも生理中は悲観的になってしまう。私は便器の中の赤色を水で流すのを眺めた。そうだ、こんな私の中にも綺麗な赤色が入ってるのだ。そう思うと少し気分が明るくなった。 絵を描く時、私はいつも制服を脱ぎ、私服を着る。私服は汚してもいいパーカーとジャージのズボンだ。昔水島のヌードを描いた時、彼に「美術部の幻想を砕かれた!」と言われた。そりゃ少女がセーラー服にエプロンで筆を動かしてるのは美しい光景だけど、私には難しい。実際この服は所々に滲んだ絵の具が染み付いているけれど、私はその汚れ方が好きだ。 そろそろ綾美ちゃん達が来る頃だ。ようやく彼女(というより兄たち)から許可が取れた。しかし彼女は本当に兄たちに可愛がられている。特に水島は、溺愛していると形容した方がいいかもしれない。昔綾美ちゃんが同級生に告白され振った時に、振られた生徒が「ブラコン」と罵った時は、「俺がシスコンなの」と言って成敗していた。     
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