7.主演のお姫様

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それと並行して最後のテストが近付いている(誰も勉強しないが)。今回は私も勉強せず、綾美ちゃんの絵に取りかかる予定だ。なんてったって、彼女は舞台まで整えてくれるのだ、それも彼女のお城で。彼女は天文ドームのお姫様なのだ。お姫様と言えば、童話に出てくるこの世ではない優雅な雰囲気を纏うようなものだ。全く、兄妹揃って高貴だなんて。私はその高貴さに従う、騎士になりたい、そして、自らもその高貴さのお零れを絵に纏わせたい。 久しぶりに絵を描く時に現れる、スケッチブックに好きなものを閉じ込めたい、あの感覚を思い出した。
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