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2.放課後の宝石
私が小柴の妹と知り合ったのは、高校に入ってから、すぐに美術部で絵を描き出そうと決意した頃だった。特にヌードを描きたかった。だって大人と子供のどっちつかずの曖昧な肉体を、同じ体を持つ私のてで残したかったから。
けれど誰の体でも良いわけじゃない。私の唯一のこだわりは、顔が女に近い人だった。こんな事を言えば美大を目指す人々に怒られるかもしれないが、私は腕を磨きたくて絵を描くわけではない。好きな物を選び、それをスケッチブックに閉じ込めたいだけだったのだ。
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