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「おい、騒ぐなら他でやれ」
三人がわあわあと騒いでたら、書道室から先生に注意され、仕方無く全員その場を離れる事にした。
「どうするー?何処で喋ろうか、あまり人には聞かれたくないし」
「まず太田さんの予定を訊いてから決めろよ。お、太田さんは、この後、は?」
「大丈夫だけど」
関西人は話を進めるのが好きなのだろうか、初めての引越しで京都に来たけれども、きっと人々はこんな感じなのだろう。
「四条まで出てスタバとかかぁ?何か味気ないなぁ」
「兄ちゃんはスタバ嫌いやったな」
「嫌いというか、皆すぐそこに行こうとする雰囲気が苦手なんやろな。他無い?」
今まで黙っていた綾美ちゃんが、歩いてもいいならと、喫茶ソワレに行きたいとぽつりと言った。
地下鉄を降りてから高瀬川に向かって少し歩いたら、その店があった。
店内は、青い光で密やかに照らされて、水の中で沈んでいる様だった。
「ようこんな洒落たとこ知ってたな!」
「お母さんが教えてくれた」
「綾美も初めてかぁ。そりゃ、この前まで小学生で、純喫茶に来てたら驚くわ」
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