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待ち合わせ場所は学校から少し離れた公園だった。子どもたちが楽しげに遊ぶ横で、ぼーっと立っている透を見つけて声をかける。 「…ごめん遅くなって」 「あーよかった、来てくれた」 透はそう笑うと、私の顔をじっと見た。 「なに」 「なんか久しぶりだなって思って」 朝会ったじゃん、という言葉は飲み込んだ。私も同じことを思っていたからだ。 公園から歩いてすぐの所にクレープ屋はある。カップルや友人グループの学生たちをかき分け、二人並んでメニューを見た。私は指を差して小さく呟く。 「チョコクレープにしようかな」 「デラックストッピングはいいの?」 「…いいの?」 ちらりと横目で透を見る。端正な横顔が、こちらを向いて笑顔で頷いた。 「特別だからね」 夕日に染まったその美しさに、一瞬言葉を失ってしまう。私が見とれている間に順番が巡ったようで、気がつけば手にクレープを握っていた。 「あっちで食べよう」 いつの間にか公園に子どもたちの姿はなくなり、生徒もまばらになっていた。私と透は並んでブランコに腰かける。 いただきます、と小さく手を合わせてクレープを頬張った。チョコチップにブラウニーに生クリームに…と甘いものが口の中に溢れ、顔がほころぶ。 「おいしい」 「よかったー」 透は嬉しそうにそう言うと、ブランコを軽く揺らしはじめた。 「…ごめん」 私は思わずそう口にしていた。透が驚いたように瞬きをする。 「突然避けたりとか。気分悪いよね」 「でも、彼女に悪いと思ってくれたからだよね」 私が苦笑混じりに言うと、真面目な声に遮られた。私が顔を上げると、透が真剣な表情でこちらを見ていた。
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