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あれ?なんかメモがある。お兄ちゃんからのメッセージかな?
【身の程をわきまえてほどほどにするように 父より】
……気づかれてる?
うーん……
でもこれって、受け取り方によってはお父さんの黙認を取り付けたってことだよね?
うん、よし。飲んじゃえ飲んじゃえ!
あたしは缶を二本取り出して、小躍りしながら居間に戻った。
早速テレビのスイッチオン!
別に見たい番組とかあるわけじゃないけど、BGMは欲しいでしょ。
アドバイスにしたがって、ここまで水分の補給を我慢してきたんだけど、そろそろそれも限界。
何でもいいから、液体を喉の奥に流し込みたくてたまらない。
改めて缶を左手でしっかり掴んで、一気にプルタブを引く。
プシッって音と弾ける水滴。
ああ、我慢できない!
あたしは飲み口に唇をあてがうと、一気にグッと、グッと上を向いた。
ビールが口の中を無視して、一気に喉の奥に滑り落ちる。
喉が勝手にゴクリゴクリと動いて、ビールを更に胃のほうに流し込んでいく。
体勢を戻したとき、缶の中に残っているビールはわずかだった。
すご……ビールって、こんなにゴクゴク飲めるもんなの?
今度は、どんな味なのかしっかり味わってやろうと、残ったビールを口に含んでみた。
…
……
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