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…………マズ。
さっき流し込んだものとは同じものと思えないくらいまずい。すごく苦くて、吐き出したくなった。
うん、喉がカラッカラの時に飲めって、こういう意味だったのね。
チーズ鱈を口の端にプラプラさせながら、あたしは腕を組み、うんうんと頷いた。
うん、一つ賢くなった。
しばらくテレビを適当に見ながらビールを飲む。
近所のスーパーで買ってきた餃子が結構おいしい。こんなことなら、電子レンジで温めるんだったと、ちょっと後悔。
「ただいまー」
お。
お隣さんが帰ってきたのかな?近いうちに挨拶に行かなきゃ……って、今、なんかすごくクリアに声が聞こえなかった?
壁越しとかお隣とかいうレベルじゃなくて、なんていうか、玄関のほうから直接聞こえてきたような……
あたしが固まってから動き出す間もなく、あたしと彼は遭遇した。
互いに顔を見合わせてきょとんとして……いや、きょとんとしてるのは向こうだけで、あたしのほうは完全にフリーズ。
やっと声を絞り出したと思ったら、二人で見事なまでにハモった。
「どちら様?」
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