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「まさかぁ。冗談はやめて本当のことを教えてくださいよ、天使様」
「日下コータロー、あなたは死にました」
「その冗談はもう聞きました」
「だからっ!あんたは死んだんだってば!!いい加減納得しなさいよ!」
……そんないきなり怒鳴らなくても。
「ちなみに死因は、道路に飛び出した子犬を助けようとして貨物コンテナを運んでたトラックに撥ねられて、数メーター空を飛んだ後、馬鹿みたいにすっ飛ばしてきたスポーツカーに轢かれて、とどめはどっかのじーさんが乗ってたシニアカーに首ンとこ踏まれて死んだわけだけど……まあ、とどめが無かったところで再起不能で一生チューブやら医療機器の端子やらが体の周りを這い回るような一生になるだけだったんだし、いっそスパッと死ねてよかったんじゃない?」
うわぁ……
エンジェルスマイルで恐ろしいことをこともなげに言ったよこの天使様。
てか、俺の死に方も大概に酷いよ。
「……?あんた、なんともないの?普通だったらここで泣き出したり、取り乱したり、それこそ手がつけられないものなんだけど」
「いやあ、悲しいって言えば悲しいし、辛いけど……なんか、どっかで納得しちゃってるんですよね」
俺がヘラっと笑いながら言うと、天使は頭を抱えてため息をついた。
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