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そんなに変な事言ったかなあ?
「まあね、納得してるし、むやみやたらに泣き喚いたりしないならこっちとしても仕事が楽で助かるんだけどね」
「仕事?」
「あんたねえ、人の話はちゃんと聞きなさいよ。あたしはあんたを『あの世』に連れて行くためにここにきたの!いい?ちゃんっとついてくんのよ?」
「へー、天国じゃなくてあの世なんだ」
俺が感心すると、今度は力いっぱい頭を鷲掴み人された。
ちょ……
痛……
半端なく強いんですけど、この天使様?
「いい、日下コータロー?優しい優しい天使様が道に迷ってるあんたをあの世に導いてやるって言ってんの。そこは黙ってついてくるのがスジってもんじゃない?」
ゆっくりと指が食い込んでくる。
こめかみの骨を突き破るのも時間の問題じゃないか(いや、幽霊に骨があるかどうか知らないけど)?
俺は何とか天使の腕を掴み、タップした。
パッと手が離される。
痛い。死ぬほど痛い。
本当に死ぬかと思った。
「ほら、四の五の言わずについてきなさい」
「ちょっと待ってくださいよ」
「何?」
「どーしてもソッチに行かなきゃいけませんか?」
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