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……なんだか、腰のあたりがむず痒い。てか、なんかシャツがもぞもぞする。
まさかと思って目を開けて、俺はその光景に青ざめざるを得なかった。
「え、え……? ちょっとまって……なにこれ……」
うっすらと柔らかい毛が生えた肉厚な触手が、俺のシャツの中に潜り込んでいる。じっとりとした感触は人の肌にも思えるが、でもその冷たさは完全に異質なものだ。まるで、毛の生えた魚肉ソーセージ。
そんなソーセージが、うねうねと動きながら、俺の肌をまさぐっている。
それだけじゃない、手持無沙汰の他の触手が、俺の腰辺りを執拗に撫でまわしていたのだ。
……おいおいおいおい!
俺は女じゃないっつーの!
童貞より先にケツの処女が散るなんて嫌すぎる。っていうか、処女とかいう概念持ちたくないんですけどね俺男なんで!!
なんとか必死に抜け出そうとしてみるが、やっぱり手足は動かない。それどころか抵抗が煩わしいとでも言うように、触手は俺の足をぐいっと開かせて来る。
大股開きとかシャレにならない。このまま股裂きとかやられたらどうしよう。
思わず青ざめて硬直した俺に、触手は勢い付いたのか、ズボンのベルトを無理矢理引きちぎってズボンの中に侵入しようとして来た。その間にも俺の素肌に張り付いていた触手は、胸のあたりを探るように動いている。
大きいくせに動きが細かくて、そのせいで柔らかな毛が乳首に当たってくすぐったい。何だか嫌な予感がして身を捩るが、肩が僅かに動くだけで、触手に雁字搦めにされた俺の体は自分の意思ではもう動かせなくなっていた。
「っ……や、め……!」
触手が下着の上から俺の股間を確かめる。おいそこお前の触手じゃねーから。似て非なる物だから。触るな、お願いだから触らないで!
頑張って脳内でお願いしてみるが、触手にテレパシーが通じてりゃ最初から戦わなくてもいいわけで。
懇願する俺に構わず、触手は乳首や股倉を無遠慮に嬲り続けた。
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