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脳みそのない植物のやる事だから乱暴だとばっかり思ってたのに、実際触手は俺の反応を感じ取っているようで、俺が嫌がれば優しく触れ抵抗すれば諌めるように強く俺を戒める。
下着のゴムが植物には掴みがたいのか、中身にまでは触れてこないけど、でも、そうやってうねうね触られてると流石に変な気持ちになって来てしまう。
気持ち悪いと思っていた胸への攻撃も、むず痒くて思わず太腿を擦り合わせてしまう程に気味の悪い感覚になっていた。
アカン、これは。
「っ……やば……これ……マジ快楽堕ち……」
俺は乳首を弄る趣味なんてないのに、これからクセになったらどうしてくれる。いや、っていうか、そんな機会今後あるのか。俺食われるんでは。
「あああ嫌だぁああああ」
二次元ならいいけど、現実はダメだ。ていうか自分が丸呑み消化プレイなんて絶対嫌だ。でもどうする事も出来ないし、どうしよう。
このままじゃ、俺、エロ漫画みたいにトロトロにされて最後は死……。
「うぇっ……やだ……ぜってえやだぁ……」
自分の声が情けなさすぎて涙が出てくる。
その雫は触手の腕に絡め取られて、俺はぐりっと頬を触手の先端で拭われた。ああ、水を求めている。そういえば触手ってエロ漫画じゃ水分を求めて体をまさぐる生物だったな……。
それでも俺は涙を我慢できなくて、泣く事しか出来なかった。
くそう、俺死んじゃうんだ。
こんな化け物に弄ばれて、恋人も出来ないまま、バッドエンドのエロ漫画みたいに呑まれて溶けて死んじゃうんだ……。
こんな世界、ハナから望んじゃいなかったのに――!
「恨むよ神様……!」
破れかぶれで、叫んだ声。
――――その声に被って、ある鳴き声が森に響いた。
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