1.男は誰だって女の裸が好きなんだ

2/3
365人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
   今日も近場の神社に逃げ込むか。  そう考えて、こっそりと裏口から学校を脱出する。    そもそも俺が何故底辺落ちしたのか。それは話すと結構長い。  長いので簡潔に話すが、要するに悪友同士で取引していた【エロ画像がしこたま入ったUSBメモリ】が何故か女子の手に渡っていて、それを見られてしまったというワケなのだ。  しかもそのメモリには俺の名前シールがうっかり貼ってあった。  なので俺の性癖およびエロさがばれて、今女子に総スカンを食らっていると言うわけで。  学校用のを使った俺が悪いんだけど、でも不要なモンを持ってきたら没収されるくらいには厳しい学校だし、女子は同い年の俺達には見向きもしないし、若い力の発散とやらなんてそんなモンでも見なきゃ無理じゃん。  こちとらモテないんだよ解ってくれよ。    ぶちぶちと誰も聞いちゃいない事を言いながらも、俺は人気のない朝の道を歩く。学校周辺の住宅街は、二時限目が始まる時間帯だと全く人がいない。ブレザー姿のまま歩いていると補導される危険性もあるが、この時間なら問題ないだろう。  幾分か気分も楽になって、俺は軽い足取りで山のふもとにある神社を目指した。  俺のお気に入りの神社は、いつ行っても人の気配がない。  古いボロボロの社がポツンとあるだけの小さな神社なので、周辺の住民には見向きもされていないようだ。  そんな所だからか、なにを祀った神社なのかの情報もまるでない。  前にちょっと気になって調べてみたけど、名前が【禍津神(まがつかみ)神社】であると言う事しか解らなかった。  最初「カツカミ」って読んでイミフと思ったのは秘密だ。  マガツカミと言うのは悪い神様の名前らしいが、鍋掴みと響きが似てるなと思ったので俺は気にしていない。  それに、森も緑に溢れてて鳥も沢山いるし、なにより気持ち悪い感じなんて全然しない神社だ。名前だけで悪い神社と決めつけるのはなんだか釈然としなかった。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!