7.売り飛ばされたらサヨウナラ

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   いま俺は、盗賊達に連れられてどこかの大きな街に来ている。  盗賊が俺を誰かに売り飛ばすために、朝もはよからドナドナと街に連れてこられたのである。    あのまま殺されなかったのは良かったけども、特になんのイベントもなく終了ってのはちょっと寂しいものがあるな。そりゃあ俺ってばピッチピチの十七歳だし、奴隷として売ればそれなりに期待できるだろうから仕方ないけど。そんな俺を良い鮮度で保存しておきたいってのは、仕方のない事だけどね?  だからって寝床に放置されたのは悲しかったなー。  まあ、俺が朝まで放置されていたのは売り飛ばすつもりだったからって事だろうから、決して「顔がアレだから性欲処理係にも出来ねーし売るしかないか」って理由じゃないはず。うん。流石にそれがマジな理由だと立ち直れないから、色々考えるのやめよう。  それにしても……奴隷屋ってのはあこぎな商売だろうに、なんでこんな健康的な時間帯に店を開けてるんだか。    この奴隷屋、立地は街の外れだから、周囲を気にする必要がないからっていうのは解るが、それにしたって平然と営業してるのが納得いかない。この世界ってもしかして、奴隷とか当たり前だと思ってる所なんだろうか。  だとしたらえげつない事もされそうだ。  過酷な労働とか強いられたらどうしよう。俺筋肉ゼロなんだけど。  殺された方がマシ……だなんて事態にならないのを祈るしかないな……。  あまり笑えない事を思いながら、俺は狭い部屋の中をぐるっと見る。  ここの館は昔は酒場だったのか、よく見るとそこかしこに壊れた樽や椅子が転がっていた。そういや盗賊が先程から詰め寄ってる場所も、酒場のカウンターっぽいな。後ろの棚には何も並んでないけれど、壁を見れば掲示板っぽいものや破れた地図が張り付いている。  酒場……っていうか、ここってもしかして、元々は冒険者の宿だったのかも。  だとしたら、街はずれにあるのも頷ける。  冒険者の宿ってことは、やっぱり魔法使いとか戦士とかいるんだろうな……もしかしたら勇者もいるかもしれない。でもなー、漫画とか小説のせいか、最近って勇者の方が悪役っぽくて怖いイメージがあるんだよなあ。  俺のいる世界では絶対正義の人でありますよーに。  というような事を考えていると、商談がまとまったのか店員と盗賊が俺の所にやってきた。  
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