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コーヒー三人分、決定。
仲睦まじい夫婦喧嘩にほっこりしつつキッチンへ行く。
今日何回目のキッチンだろう? と自然と笑いが出てしまう。ここにルナもいたら、それはさぞや賑やかだろう。そして俺はあの二人にさんざん甘やかされるルナを見て、ちょっぴり嫉妬したりするんだろう。
「薄めにしたぞ」
二人の前にコーヒーを置いて、ついでにルナが好きだった煎餅も出す。ルナが好んで食べた物ならこの二人も食べられるはずだ。
「二人とも初めてコーヒー飲んだろ? コーヒーってさ、飲み過ぎると胃をヤられるんだよ。だから薄め!」
「へぇ! そういう効能もあるのか! こぉひぃってすごいな!」
「お酒も飲み過ぎれば毒になりますしねぇ……あ、お煎餅、美味し!」
パリパリと食べる音まで上品な白虎とそんな白虎を愛しそうに眺める朱雀、そして二人を交互に見てニヤける俺。
「何だよ? ヘンな顔して」
「んー? やっぱ伴侶って良いなって思ってさ。俺もルナに会えたら、朱雀みたいに優しい目で見て、白虎みたいに甘やかしてやろうって思って」
「んなっなっなっ!」
「ははっ! 郷に来る事の迷いはねぇみたいだな」
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