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「え? うん、良いけど、あれはこの辺の水じゃないよ?」
「ええ、かまいません。産地はどこでも良いんです。透明な容器と水が必要なんです」
介入する、というからには俺には想像もつかない摩訶不思議な力を使うんだろうと思い、言われる通りにする。
「さて、そろそろ行くか。深海は寝てて良いぞ。明け方には戻るし、次は勝手に部屋に上がらせてもらう」
「外、出て大丈夫なのか? 苦しいんじゃ……?」
「そりゃこの部屋ん中よりは息苦しいわな。でも真夜中だと人が寝静まってるだろう? 少しはマシなんだよ。白虎、準備してくれ」
「解りました。深海さん、ちょっと失礼」
水の入ったペットボトルを俺の額に当てて、白虎が目を閉じろと言う。
言われた通りに目を閉じて数回深呼吸をするとスッとペットボトルが離れた。
「もう良いですよ。行ってきますね」
行ってらっしゃい、と返した瞬間に二人の姿は煙のように掻き消えてしまった。
……やっぱ神様なんじゃないの?
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