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「……燐のせいですぅ……すぅー」
部屋の灯りを点けたまま寝てしまって、時間の感覚が掴めない。
とりあえず解るのは朱雀と白虎が帰って来ていて、俺の胸と腹の上で、べちょーっと行き倒れ状態で寝てるっていう事だ。
豆柴と黒ウサギを一旦身体から下ろして、両脇に抱え込んでやる。これなら文句はないだろ?
……良かった、無事に帰って来てくれて。俺の腹の上で行き倒れてくれて良かった。両脇に抱えた二つの体温を感じながら、もう一度目を閉じた。
「おかえり。おやすみ」
返事なんか期待していなかったのに
「はぃ……深海しゃん……」
ちっちゃい黒ウサギが可愛い寝惚け声でむごむごマジメに返事。
「深海、うっしゃい……ぐぅ……すぅー」
豆柴は文句。可愛いから許すけどさ。あったかいし、柔らかいし、寂しくないから許す。
起きたら……“こぉひぃ”なんだろ……?
「……うみ、みうみ……深海!」
「ん? ルナ?」
ゆっさゆっさ、ずいぶん乱暴だな。お腹減ったのかな……?
揺さぶる手の方へ寝返りを打って眠い目を擦る。
「どした? ルナ……お腹減ったか?」
「腹も減った。すまんが起きてくれ」
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