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「昼過ぎには正樹くん……俺が勉強教えている子の家に行って、お母さんに参考書渡して来ようと思ってる」
「お友達は?」
「それは帰りに段ボー……でっかい箱もらって、そこの床に積んである資料とか詰めて。あ、そうそう、あのさ」
二人に昨夜の思い付きを話してみた。
売れる物は全部売って、それで買えるだけのコーヒー買って郷に持って行っちゃダメかな? って。
「郷にはあのこぉひぃを淹れる機械はないぞ?」
もっともな事を言う朱雀に機械がなくても淹れられる事を伝えると、白虎と一瞬見つめ合って
「俺達にも振る舞ってくれるのなら文句はない!」
と笑って賛成してくれた。白虎は白虎で目を細めて
「和子と深海さんと四人でお茶会、楽しみです~!」
と既に頭の中で楽しいお茶会が開かれているようだ。
「貯金も下ろしてコーヒーに変えたら、すっごい量になるけど、良いの?」
「……ちょきんってなんですか?」
白虎の言葉に瞬きを数回。変な事は言っていないはずだが……?
聞けば郷には銀行はないと言う。そもそも貨幣がない。食料その他は自給自足で間に合っているし、必要な物があれば物々交換でお互いが納得する形で手に入れている。
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