痛い記憶

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 顔色を失くした俺にトドメを刺してくれたのも友達で、SNSにアップされた写真を見せてくれて……。  その事自体にはとても感謝している。そういう決定打がなければ、きっと目を逸らし続けたと思うから。 「帰る」  今更どうでも良いけど、思い出して愉快な過去ってわけじゃない。 「おい! ヤな事思い出させてごめんって!」 「良いって! マジでもうどうでも良いんだって……待ってるヤツがいるから。帰る」  嘘じゃない……今日もルナは俺の言い付け通りに待っているはずだ。  玄関を開けたら嬉しそうに耳と尻尾をピンッと立てて駆け寄って来るはずだ。  無性にルナに会いたい。
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