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汚してごめん。今だけ、ちょっとだけ。
胸の穴が塞がる気がするんだ。
ルナ、ごめん……。
大人しく抱かれてくれているルナの背中を撫でていると、頬をペロリペロリと小さな舌が這う。
「慰めてくれんの? ありがとルナ。俺ダセェな……」
猛烈に寂しいと思った。
こんな小さな子猫にすら縋りたくなる程に寂しくて、それに目を瞑っていたのだと自覚した途端、俺はルナに甘えてボソボソと胸の澱を吐き出した。
「……ボッチじゃないんだぞ? でもさ、怖いんだ。もう三年も経つのにさ、俺のいないトコでまだ嘲笑ってるんじゃないかって……友達なのに疑って……ちゃんと俺笑ってると思うんだけど、笑えてるかな……もう本当にどうでも良いって思うのに怖いんだ、また裏切られるの、考えたら、すげぇ、怖くて……」
嘲笑うような友達はいない。
あの時も張本人の俺以上に怒りまくって何故か俺が宥めたくらいだ。
もっと怒れ! と責められたくらいだ。
毎回合コンに誘ってくれるのも、早く次の恋愛して完璧に忘れちまえ! って事だろうと予想はしている。
ありがたいと思うのに、心のどこかで疑って、友達を信じきれない自分が汚くて嫌いだ。
「……泣かないで……」
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