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初めて二人で摂る食事
キャットフードが食べたいとねだるルナに
「良いけど……話はできるの?」
と聞いてみる。
違う世界から来た事は解ったけれど、もっと色々と聞きたいのに、話せなくなるのはもったいない気がして仕方がない。
「深海が俺の事認識してくれたからお話できるよ!」
嬉しそうに俺の疑問に答えたルナは軽く頭を振ると、スルスルと小さくなって見慣れた美しい猫の姿に変わった。
「すげ!」
「へへっ」
得意そうに笑って足元に擦り寄って来たルナをいつものように抱き上げて、キッチンへ行く。
「まぐろと鶏のささ身、どっちが良い?」
「えと、“お野菜たっぷりささ身のとろみスープ仕立て”!」
「了解。てか一袋で足りるか?」
「足りるにゃ」
わざとなのか語尾に“にゃ”をつけたルナは俺の肩に顎を乗せてゴロゴロ言っている。
飼い猫と会話できるなんて、猫飼いの究極の夢を今叶えているんだと思うと俺も嬉しくてたまらない。
「あ。深海、喜んでる」
「解んの?」
「ん。胸がぽわーってあったかくなった」
パタパタと尻尾が揺れて、耳元で話すルナの声も弾んでいる。
「お前も楽しそう。そんなに飯が嬉しいか?」
からかうように聞くと
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