753人が本棚に入れています
本棚に追加
「深海が許してくれたから嬉しい。ご飯も嬉しい」
と猫らしく頬や額を擦りつけながら答えた。
抱き抱えながらも皿にとろみスープ仕立てを準備して、いつもの場所に置くとルナはゴロゴロ振動をピタリと止めた。
床にそっと降ろしてやると伺うように俺を見る。
「先に食べてて良いぞ?」
「待って、るぅ……」
ごくっと生唾を飲むルナの頭を撫でて、遠慮せずに先に食べてろ、と伝えて一番簡単にできる野菜炒めと目玉焼きとインスタントの味噌汁を大急ぎで作った。昨日の残りの飯はレンジで温めて、テーブルに運ぶと、ルナは目を閉じて天を仰いでいた。
「良い匂いがするんにゃ……」
鼻をピクピクさせて耳を寝かせている。必死に耐えている姿がいじらしい。
「先に食べろって言っただろ?」
手付かずのままの皿の側にトレイに載せた俺の晩飯を置いた。
「食べながら話すんなら近い方が良いかなって……」
行儀悪いけど、と付け足すとルナは勢い良く尻尾を振りかけて慌てて止めた。
「うわぁ! 毛が! ごめん」
「いや、気にしないよ? 猫好きだし。ルナが食べられるモンが解ればテーブルで一緒に食べられるからさ、あとで教えてよ」
いただきます、と手を合わせるとルナも皿に向かって
「ありがとう。いただきます」
最初のコメントを投稿しよう!