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と丁寧に頭を下げた。
「色々と聞きたい事があるんだよなぁ」
もやしとキャベツを一緒に口に放り込んで呟く。
「俺も。なんで泣いてたの? ボッチって何? 友達にイジメられてるの?」
そう言われて、自分が晒した醜態を思い出した。
「いや、違う……」
あまりの情けなさと恥ずかしさに、ついごまかそうとした。
「俺はちゃんと深海のホントが知りたい。でも……話したくない事なら聞かない」
言い切ると、また皿に向かって小さく尻尾を揺らしながら、とろみスープ仕立てに顔を突っ込んだ。
「美味いか?」
「美味しい!」
即答に笑ってしまう。
「いつもは何食べてんの?」
「深海が食べてるのと大して変わらないよ。お野菜煮たのとか、お魚焼いたのとか。果物とか」
なるほど。食生活はあまり心配いらないかも知れない。
「薄味でねぇ、紅蘭が作ってくれるご飯はすごく美味しいよ」
薄味に慣れているからキャットフードが美味いと思うのだろうか。
猫の健康を考えてキャットフードは極薄味だと何かの番組で目にした記憶がある。
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