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同じ輪の中にいても、遠くに感じていた。見ているだけで良かった……。
その日の帰り、仲間たちが散り散りに去り、残ったのは私たち2人……。
何の会話もできずに、ただ彼が帰らないから、そこにいた。
「俺のことばかり見てるよね?」
屈辱的な敗北感にゾクゾクと背筋が震え、泣きそうになった。
「いいよ」
「え……」
「見てていいよ」
「こ、困らない?」
「どうせ俺じゃなきゃ嫌なんでしょ?
ーーなら、ずっと見てなよ」
「……」
「他のヤツ見たら、罰ゲームな」
まるで催眠術にでもかかった様に、コクリと頷いた私に、彼はイタズラに笑った。
私の恋が、形を変えた瞬間ーー
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