校舎の裏、来るまで待ってる

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 大きく事態が変わったのは2年に入ってからだった。橋本さんは彼女を嫌う女子と同じクラスになってしまった。僕は違うクラスだったから詳しい状況は知らないが、本来決められたグループで食べる筈の給食も彼女だけ席を外されて離れた所で食べていたらしい。また、誰とも会話する事は無く、偶然廊下で見かけた時は視線を俯かせて歩いていた。その理由はクラスの誰かと目を合わせると激しく罵られるからだ。その時自分は?僕は何もしなかった。彼女に声を掛けることもしなかったし、話し掛けられそうになった時は意図的に避けた。何でそんなことが出来たのだろうと今では思う。その時は、彼女の周りには見えない渦があって、それに巻き込まれることを自分は酷く恐れていた。  
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