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光の粒子「フォトン」には、人間のDNA情報を読み取る性質がある。それを利用する事で脳内イメージの具現化が可能になり、映画やアニメと言った映像作品は格段に制作しやすくなった。
高校生である青山祐希は、映像研究部として日々、究極のエンターテインメントを目指し映画を制作している。
物語は、祐希の父であり希代の映画プロデューサー小野寺景吾の死から始まる。祐希は葬儀の帰り道に謎の少女を目撃する。少女はまるで天使のような美しさを持っていた。
そして映画の企画に煮詰まった祐希は、景吾の仕事場を訪れる。そこにあったのは、フォトンを利用して記憶体験を植え付けるハイ・ネットワークである。
ハイ・ネットワークはフォトンで具現化したイメージを映像化するのでなく、人間自身にフォトンを浴びせる事で言語や視界を超越したVR体験を得ることができるものだ。
しかし、それは神の所業。かつて神に近づきすぎたバベルの塔の再現であり、ハイ・ネットワークを使用した祐希は、謎の少女のその正体、天使ベリーに命を狙われる事になる。
それでも究極のエンターテインメントを目指す祐希はハイ・ネットワークを使用してSFにアクション、ファンタジー、果ては恋愛ものまで様々なVR映画を制作していく。
だが、ベリーを含む神の尖兵の手により、次第にハイ・ネットワークは暴走を始める。
ベリー達から自分達の存在を守る戦いをする祐希だが、祐希の存在は意外な方向から危ぶまれる事になる。
それは、父である景吾だった。景吾は自らのフォトンをハイ・ネットワークに保管し、祐希の体を乗っ取ろうとした。景吾にとっての究極のエンターテインメントとは、若い肉体を使って青春をやり直す事だったのだ。
祐希は自分が製作してきたVR映画を観た者たちの声を聴き、自らの存在を強く肯定する。
そして、ハイ・ネットワークを破壊し景吾を退け、祐希はベリー達との最終決戦へ向かうのだった。
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