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2号と3号の凸凹コンビがじゃれ合いを始めて、仲間1号の方は「どうする?」と栗名に意見を求めた。
「佐藤、俺のこと借りてどうすんの?」
守られるようにして立っていた栗名が言った。率直な疑問を口にした風だった。そこに訝るような、気味悪がるまなざしはなかった。単純に涼のしたいことを聞いている目だった。
「栗名の肖像画を描きたい」
「しょうぞうが?」と栗名は涼の言葉をくり返した。
「古くは国を治めた王や皇帝の権力を表したもの。自分の信じる絶対的な人物を己の技法で書き表したもの」
「ふ、ふうん」
栗名は話の先が見えないようで、涼に合わせながらも引いた目をし始めた。
「君はすごい存在だから、後世に残すために僕が描かなければいけない」
ここでやつを逃すわけにはいかない。涼はきっぱりと言い切った。
栗名と仲間たちはいよいよ分からないらしく、互いに視線を合わせだした。
「つまり君は芸術的なまでに華やかで素敵だから、何としても僕が作品として残さなければいけないんだ。美しい人を一生涯描き続けるのが僕の使命なんだよ」
ここまで言えばさすがに分かるだろうと高をくくった時、栗名が一言「こわい」と発した。
「え?」
「何か、お前、こわい!! 嫌だ!!」
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