+第1話+「君のファンになった」

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 翌日、栗名は休みだった。  無断欠席だった。  確実に昨日の件が影響しているだろうと踏んだのか、仲間たちは放課後に涼を取り囲んで吊し上げた。 「てめえみたいなのが栗名に近づくんじゃねえ」  小さい背の仲間2号が噛みつく。 「告白しただけなのに」  さらりと返す。  自分のあまりに泰然自若な態度は、かえって彼らの反感を買ってしまうらしい。三人とも目を吊り上げて口々に怒鳴り出した。 「気持ち悪いんだよ!!」2号。 「人には態度というものがあるだろ」1号。 「根暗人間がでかいこと言ってんな」3号。  涼は言い返した。 「それは違う。僕は根暗グループではなく芸術家グループなんだ。根暗はただの根暗だけど、芸術家はそこから生まれ変わった『誇りの一匹狼』の属性なのさ。僕はそこの生まれで、弱者同士で傷の舐め合いみたいに縮こまっている根暗グループとは違う。君たちは部外者だから難しいだろうけど」 「話が長ぇ!!!」  2号が怒鳴り散らした。 「つまりお前は自分が芸術家だと信じて疑わないわけか?」  1号の低くて重い声が、あきれた意味を含むように吐き出された。 「うわー、すげえ選民思想」  3号が嫌味たっぷりに言った。     
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