二人の世界

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二人の世界

 あるところに少年と少女がおりました。 少年は人柄が良く村のみんなにとても好かれていました。少女はそれとは反対にみんなからは、呪いの子等と言われ嫌われていました。  正反対の二人でしたが、とても仲良しでいつも一緒に遊んでいました。  そんなある時二人は事故に遭ってしまいました。 少女はすぐに目を覚ましましたが、少年はいつまでたっても目を覚ましませんでした。すると村の人々は少女の呪いだ。少女のせいだと、責め立てました。最初は「大丈夫私のせいじゃない少年は、すぐに目を覚ましてくれる」と思い気にしていませんでしたが、時が経っても目を覚まさない少年。村の人々の意見を聞き続けた少女はやがて本当に自分のせいなんじゃないかと思い始めました。  それからしばらくして、耐えきれなくなった少女は、自ら命を断ちました。    それから数日後少年は目を覚ましました。 村の人々は、「やっぱり少女の呪いだったんだ」「少女がいなくなったお陰で少年が目を覚ました」と喜びました。ですが少年は自分が眠っている間に、そんなことになってしまったことをとても悲しました。そして少年もまた自分を責めました。それでも皆、揃いも揃って「少年は悪くない悪いのは少女なんだよ」「少女なんか忘れなさい。あの子は呪いの子なんだから」と少年に言いました。少年は悲しかった。いつも少女は、村の人々から除け者にされてきた。それでも少女は「少年が傍に居れば私は大丈夫だよ」と言っていた。なのに傍にいれなかったこと。村の皆に少女の優しさを伝えられなかったこと。何よりも守れなかったことをとても悲しんだ。   それと同時に怒りの感情が生まれた。少女のことを呪いの子だと言い続けた村人。そんな人たちのことが許させなかった。少年は復讐することにした。それから…       
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