プロット

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 マガツヒを撃滅した戦いぶりが認められ、遺体を盗み出そうとしたことを咎めない代わりに、ジンヤは防人(さきもり)の操縦士訓練生になることを強制される。人間しか操縦士にはなれないため、ジンヤは人間に少し近付いたと心躍らせた。また、操縦士になれば喪ったはずのヒロトと再び会えることが、ジンヤにとっては何よりも嬉しかった。  ジンヤは操縦士訓練生になり、(つがい)の教育と並行して、慣れない授業や訓練を受けることになった。ジンヤは専用の防人(さきもり)である護國(もりくに)に何かというと乗り込み、AIと寝食を共にしていた。たかがAIに傾倒する変わり者としてジンヤは奇異の目を集めていたが、周囲の人間は亜人の過ちを人間の寛大さで笑って見過ごしてやっていた。  普通製の防人(さきもり)には、操縦士の操縦を補助するだけの人格を有さないAIが組み込まれている。一方、現時点では護國(もりくに)のみだが、特別製の防人(さきもり)には、死んだ優秀な人間の人格や思考回路を再現したAIが搭載されている。護國(もりくに)には、ヒロトを模したAIが採用されていた。護國(もりくに)は優秀な機体だったが、それ故に独特の癖があるのか、ジンヤ以外の操縦士に適応しなかった。護國(もりくに)を操縦できる唯一の人材として、ジンヤは亜人といえど重宝されていた。
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