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まだちょっと苦しい。喉が焼ける。
ああ、このまま花の褥で
「だから死なれたら困るって。」
うー。
ジト目で先輩を睨みつけ、つい減らず口を叩く。
「じゃあ先輩が飲ませてくださいよ。そしたら白雪姫のごとく、復活するかもしれない。」
なーんて。絶対しないとわかってる。
「逆にお前の体力レベルまであがったりして。」
にやりと笑う先輩に、私もにやりと返す。
「MP回復?そしたら私的にラッキーです。」
入部一週間にしてこの軽口。大先輩に対して、いいのか私。
「そんじゃ遠慮なく。」
「え?マジですか、ウケる」
どうせしないから。
プシュ、
ちらっと私を見て、ゴクリ。
何気に見つめていた先輩の喉がごくりと動くのを見た瞬間、心臓が跳ねるのを感じた。
「欲しいか?」
「結構です」
まだ強がるか、私。
仕方ない。起きて買いに行くか。
体を起こしかけたその時、先輩が視線を私にヒタリと当てた。
どうした私。動けないんだけど。
視線を私に固定したまま、こくり。
もう一口含む。
そしてそのまま私に覆いかぶさってきた。
や、やだ、初体験、誰かに見られたらどうする?どうすればいい?
唇と唇が触れる瞬間。
ぷっはあっ!
「ぎゃあああああっ!」
ちょっとこの人!
私の顔に口の中のウーロン茶ぶちまけた!
「ちょ、タオル!ギャー!!」
思わず先輩の首にかかっていたタオルを引き抜き、ががっと顔を拭く。
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