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「何するんですか、花の乙女に!」 「西行ほざいてるようなガキには丁度いいだろ、目覚ましに。てゆうか、なんで許可なく俺のタオル使ってんだよ。」 うっさいうっさい。 やだ、髪の中まで濡れちゃった。 何よ、その笑いは。 「取り敢えず、その負けん気は認めてやるよ。」 負けん気? 「負ける気なんか無いですよ、先輩。」 絶対、負かしてやる! 「先輩のテク盗んでもっと上手くなって、コンクールで金賞狙うんです。」 「本人に盗みを宣言してどうすんだよ」 「うっさい!」 髪うっとおし。 ごろんと仰向けになると、さわやかな水色の空とクリームピンクの桜の花びらが目に飛び込んできた。 風に吹かれたのか、落ちる頃合いなのか。 はらはらと花びらが私に向かって舞い降りてくる。 きれい  リフレイン ほんとにきれい 頭がぼんやりしてきている私の視界を思いっきり遮ってくる先輩に、思いっきりぶうたれた顔を見せてやる。 花見の邪魔するな! 心で叫んで声には出さない。 「ほら、ちゃんと拭け。」 「今更です。髪の中まで濡れました」 「中々の逸材だな、お前。」 逸材? どういう意味? 横に並ばせてくれるってこと? それって私の実力を認めてくれたってことでいいの?     
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