1.姉弟のようなカンケイ

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1.姉弟のようなカンケイ

私の家の隣には、家族ぐるみの付き合いをしている家族が住んでいました。ひょうきんなおじさんと優しいおばさん、そして私より2つ下の男の子A君が住んでいるお家です。 A君はどちらかというと物静かで、可愛らしいタイプの子でした。同じように内向的な私と気が合うのか、一緒にいることが多かったのです。 私はA君を弟のように扱っていました。小さな子供の話ですから、たまに意地悪をすることもあります。するとA君も男の子なので、すぐに仕返ししてくるというカンケイでした。 しかし子供の頃の2つ差というと、男女とはいえ、かなり大きな体格差があります。母にも「お姉さんなんだからね」と、口を酸っぱくして言われていたので、私はだんだんとお姉さんぶるようになってきました。 食べるものや順番は必ずA君を先に譲り、泣いているときは慰めてあげたり、一緒に遊んであげたり、何事も手加減をするようになりました。そういったことに慣れてくると、今度はそれが心地よく感じてきたのです。 子供心に「ああ、これが母性本能か」と感じていました。 私がそんな風に接していくことで、A君の方でも何か心境に変化があったようです。     
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