何度目の、朝に

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シャワーの音が止んだ。しばらくしたら彼がそこのドアをあけてやってくるだろう。私はわざとブラインドが閉じている側の窓を開けた。 朝の風はまだ寒くて頭がまだボーとしている私には丁度いいくらいの心地良さ。けど、彼には少し寒いはず。 「おはよ。起きた?」 「うん、起きたよ。朝食代わりに1本もらってるよ」 と利き手で手にしている煙草を少し上にあげて彼に見せてみる。 「いいけど、朝食も食べるんだろ?ごはんかパンどっちにするんだ」 仕方ないなというように彼は笑って答える。キッチンにフランスパンがあったのを思い出して私はフレンチトーストと答えて灰皿に灰を落とした。 「あ、フランスパンだからだろ」 勿論と答えた私に、彼は特別だからなと言ってフランスパンに手を伸ばしていた。その代わりに窓を締めるように言われて大人しく従う。だって彼のフランスパンを使うフレンチトーストは絶品だから。 心地よかった風がなくなり、吸い終わってしまった煙草も名残惜しいが灰皿に捨てればシャワー使えばと彼からの言葉にコクリと頷いて、さっきよりは軽くなった身体をベットから立ち上がらせる。
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