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「ねぇ、朝ごはん食べたらさ出かけない?」
「いいよ。どこに行こうか?」
私が出かけようなんて言うことはないなら少し驚いた顔をしたけどすぐにいつもの顔に戻って目を細めて笑った。
「デートとか…?」
意を決して言葉を発してみたけれど恥ずかしくて彼の顔が見れなくて顔を伏せたままでいたが、彼がお皿の上にフォークを落とした音で思わず顔をあげる。
彼の表情が無表情のまま固まっていて、やっぱり駄目だったかと思い、慌ててごめん嘘だよと言ったのに彼は黙って席を立って私の横にやってきて跪いた。
「あーあ、今日こそはと思ってたのに何で先に言っちゃうかな?」
ボソッと呟かれた言葉と共に、少し俯いてた私の顔を自分の顔に向けさせる為に私の頬に両手を伸ばしてそっと包み込んだ。
「俺とデートしてくれませんか?」
どうやら歩み寄ろうと思っていたのは私だけではなく彼もだったようだ。勿論答えは決まってる。
「はい。喜んで!」
(新たな朝を迎えたら)(世界が変わる)
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