第二章「Unknown Enemy」

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第二章「Unknown Enemy」

ユウトはケンと共に、ウイルスの製造元とみられる元国内最大規模でMELROID本体・関連デバイスを生産する紫波工業の工場へと潜入する。現在、国内総人口の98%もの人間は人工知能やロ ボットによる代替労働力の導入によって労働の義務から解放されている。紫波工業も同様であり、工場内は人気がなく、動くことのない無人ロボットが無数に並んでいた。工場の奥へ進むと、例の暴走を引き起こすパーツがいくつも見つかる。これらを押収しようとすると、警報が鳴り響き、辺りに置かれていたMELROID本体が突然動き始める。突然の事態にユウトとケンは焦るも、襲い掛かってくるMELROIDを破壊して出口へと向かう。すると2人の前に、武装した異形のMELROIDが姿を見せる。そのMELROIDは自らを「ゼロ」と名乗り、2人に押収物を捨て置き、その場から立ち去るよう警告する。しかし、押収物をなんとしても持ち帰りたいユウトは断る。すると、ゼロは一瞬のうちにユウトに肉薄し、強烈な攻撃を加え、ユウトを吹き飛ばす。続けてゼロはケンに襲い掛かる。圧倒的な破壊力を誇るゼロに、ユウトは絶望しかけるが、その時ゼロとケンの間に2つの影が割って入り、ゼロを吹き飛ばす。それは、ケン専属のMELROID「レイド」とゲンジであった。2体のMELROIDが加わり、4体1となる。ゼロは不利を悟ったのか、その場を立ち去る。去り際にユウトに向かって「これ以上、私に関わるな、浦部ユウト」と意味深な言葉を残す。ユウトはひとまず敵を退けられたことをゲンジとレイドに感謝し、ゼロの言葉を頭に留めつつも、工場内から怪しい物品を押収する。その時、電源の入ってないタブレットも押収する。本部に戻り、タブレットの内臓データを調べてみるも、データはほとんど消去されていた。しかし、かろうじて持ち主のデータは残っており、タブレットの持ち主は「柴波純一郎」という名であることがわかる。しかし、柴波純一郎という人物は実在しないことが発覚する。ユウトは柴波純一郎なる人物が、MELROID暴走の黒幕ではないかと仮定する。また、タブレットに記載されていたシリアルコードから、このタブレットはMELROID研究開発チームの所有するものであることも判明する。
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