第五章「Zero and Infinity」

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第五章「Zero and Infinity」

MST本部庁舎は、MELROIDの全国規模での稼働に合わせて建造され、最上部に備え付けられた巨大アンテナによってすべてのMELROIDの稼働状況をほぼリアタイムでモニタリングできる。しかし、それ以上に重要なのは、本部の地下施設だ。公にはされていないが、MELROID開発チームの研究資材保管所はそこにある。瓦ヶ崎はそれを知っているからこそ、開発チームから離脱し、ここの防衛を任されている。そして、そのことを知っている人物が他にもいる。だから、瓦ヶ崎は、大規模なMELROIDによる暴動が起こされたとき、「彼」がここにやってくることを事前に予想できたのだ。ここは、MST本部庁舎「とうとう、ここまでたどり着いたか...」瓦ヶ崎の目の前に現れたのは、ゼロを引き連れた元同僚・柴波だった。「きみの目的はわかっている...だからこそ、きみにはここで死んでもらう」と言う瓦ヶ崎。対する柴波、「俺は、こんなところでくたばるわけにはいかない。俺の野望は、お前たちには邪魔させない!」即座にゼロが、銃口を瓦ヶ崎に向け、その引き金を引く。しかし、弾は瓦ヶ崎にあたらない。防いだのは、黒いMELROIDだった。「やはり、『インフィニティー』はお前のところにあったのか」舌打ちをする柴波。インフィニティーは、ゼロと同時に開発された次世代型のMELROID本体であった。インフィニティーとゼロは激しい銃撃戦を始める。その隙に、柴波は瓦ヶ崎に殴りかかる。だが、その前に2体のMELROIDが立ちはだかる。「なっ!?」驚く、柴波。それは、どちらもインフィニティーに間違いなかった。「インフィニティーが1体だけだと、誰が言ったかね?」そして、1体のインフィニティーが柴波に銃口を向ける。ゼロも囲まれている。「最後に1度きいておく。私たちと手を組む気はないか?」と瓦ヶ崎は腕をあげて、問いかける。「...。」柴波は黙り込む。「...、残念だ。」といい、瓦ヶ崎が腕をを下す。インフィニティーが引き金を引く。しかし、弾は放たれない。不審に思う瓦ヶ崎。「どうした、インフィニティー!?引き金を引くのだ!」他のインフィニティーにも命令するが、動かない。柴波はゼロに合図を送り、目的の部屋へ駆け込む。しかし、その前に立ちはだかるのはユウトとゲンジだった。
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