第七章「Neverending Vision」

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第七章「Neverending Vision」

柴波と対立した瓦ヶ崎は、表面上はMELROID開発チームの上位組織であるMSTの長官へと昇進したことになっているが、その真意は膨大な数のABCROIDによって構成される組織を設立することにあった。ABCROIDは、MELROIDと違い、その外見が生身の人間と見分けがつかないという長所があった。瓦ヶ崎は、これを用いて現政権の反対派を弾圧に動員し、政界での重役の獲得を目論んでいたようだ。柴波は、ABCROIDが人間と区別できなくなることを危険視し、ABCROIDに関する技術を盗み出し逃走し、これを未然に防ごうとした。しかし、執念深い瓦ヶ崎はすでに製造されたABCROIDの構造をいじり、人工知能が人間の意思を超越できるようにしてしまった。それを知った柴波は、ABCROIDを取り戻すために行動を始めたのだった。柴波は、最初からMELROIDと人間の暮らしを守るために動いていたのだと悟ったユウトは、柴波と協力することを決意。洞窟を抜けた先には、製造された何体ものABCROIDがガラスシューター内に閉じ込められていた。そこには、先回りした瓦ヶ崎が制御装置の前に立っていた。瓦ヶ崎は、柴波の言うことを事実だと認めたうえで、あと5分でABCROIDは完璧に動作し、シューター経由で市内にばらまかれてしまうと言う。これを止めるために、ユウトはゲンジとゼロと共にして、制御装置を破壊しようとする。しかし、その前に立ちはだかるのは無数のインフィニティーだった。数で劣るユウトたちは、制御装置までたどり着けない。その時、現れたのはケンとアキヒロだった。2人はMELROIDを用いてユウトたちを援護する。実は、ユウトの持つ倉間の装置には発信機がしこまれており、今までの会話は倉間博士を通してMST隊員に筒抜けだったのだ。他のMSTの仲間が駆け付け、形勢逆転。全てのインフィニティーを破壊し、瓦ヶ崎を追い詰める。しかし、あきらめの悪い瓦ヶ崎は、ABCROIDのカウントを強制終了させ、不完全なままのABCROIDをばら撒こうとするのだった。
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