チャラ男猟師と不機嫌な白雪姫(SS)④

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 俺の嘘偽りない返事の後、吉永は俺の本心を探るように、無言で俺をジロジロ見てきた。  そして少しの間俺を眺めた彼女は、声をひそめて言う。 「アンタこの後、時間ある?」    二次会終了後、俺と吉永は三次会へは行かず、別々に帰るふりをして、十分後に合流した。   「瀬尾を誘った理由の結論を最初に言っとくと、アタシは棗が心配なの」    合流後、三次会会場とは離れたファミレスで、注文したコーヒーゼリーに手をつけることなく、吉永が言った。  俺は二次会までで腹がパンパンなので、ドリンクバーのみの注文だ。   「ここから私が話すことを他の誰かに言ったりしたら、地の果てまで追いかけて、アンタを殺しに行くから」    彼女は勝手な取り決めをするが、なっちに関係する真面目な話を聞けるのだと予想し、了承する。   「瀬尾なら……棗のあの噂、知ってるかと思うんだけど」 「……なっちが某人物とつきあってる、とかいう噂?」 「うん、それ。アンタだったら、やっぱり知ってるよね」    俺が仁井村との噂を知らなければ、吉永はたぶん、この先のことを話すのをやめたんじゃないかと思う。  けれど知っていると確認がとれてしまったので、彼女はグロスが光る唇を一度きつく結んだ後、覚悟を決めたように口をひらく。   「アタシ、春に教育実習のために、地元のこっちへ戻って来てたの」 「ふーん。吉永も県外の大学へ進学したんだっけ?」 「ええ。――その教育実習の時、棗に会ったのよ」 「はぁっ?! 本当に?! ガチでか?!」    俺はファミレスにいるということを忘れ、ガタンと椅子を揺らして立ち上がり、大声で反応してしまう。
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