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二年生、春~四ツ橋凛・前編~
小南が無事二年生に進級した六月の最初の週末、俺と瀬尾は某ファミリーレストランで夕食をとっていた。
もちろん生徒やその親たちになるべく会わないために、学校からは離れた店である。
「また言うけど、今年の二年のクラス編成、主に佐藤先生のせいで失敗気味だよな。特にお前のクラスとか」
「本当それな」
ハンバーグを切り分けながら、俺は瀬尾の言葉に深くうなづく。
「あのヒト、元々校長のコネでここ入ってるのもあって、妙に権力あるのがなぁ……」
「来年は絶対阻止する」
俺たちが愚痴っている教師のせいで、二年生になってから小南は星宮とは別のクラスになってしまった。
「佐藤先生の美少年趣味? て奴、確認させられるたびにマジひくわー。絶対性癖でこの職業選んだろ」
「あの学年、顔面的意味で当たりが多いからな」
「教師も大体生徒と一緒に学年繰り上がるのをいいことに、ここぞとばかりに自分のクラスに美形集めるとか……いつかやらかして捕まるんじゃね?」
サイコロステーキを口に運びながら、瀬尾が嫌そうに顔を歪める。
「性癖に文句はつけないけど、そのせいで仕事に支障がでることになるのは本当に害悪」
「野獣君、美女と離されて機嫌悪いもんなぁ。なっち、こないだ胸ぐら掴まれてなかった?」
「……まぁな」
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