1.プロローグ

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放課後は友達とファストフード店に行ったり、ショッピングモールをうろついたり。 部活をしていながらでもそういう所に行けないことはないが、放課後真っ直ぐにそういうところに行って、意味もなく仲間と時間を過ごすことが、たまらなく楽しかった。 クラスに溶け込むうちに、日焼けもしてない、髪の色も茶髪を通り越したような友達も増えたし、サチコ自身、周りに影響されてちょっぴり髪の色も明るくなり、メイクもするようになっていた。 今までは無駄な努力と知りながら日焼け止めクリームを塗るくらいしか、したことなかったのに。 「今度の土曜日どこ行く?暇だったら本通りに行って遊ぼうよ」 週末はゆっくり起きて、友達と街一番の繁華街にお出掛け。 早朝から部活に行ってたなんて、今となっては信じられない。 ましてやマイクロバスで遠征なんて…ありえない。 生活習慣だけじゃなく、選ぶ洋服の趣味も変わったし、制服の着こなし方も変わった。 部活を辞めてから筋肉が落ちて足が細くなったのが、サチコにとって一番嬉しいことだったのだが、おかげで着られる服の選択肢が広かった気がする。 そして、昔の自分なら、制服でもこんなパンツが見えそうなスカートの長さになんかしなかったし、できなかったはずだ。 “私は生まれ変わったんだ”     
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