1.プロローグ

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サチコは部活のない高校生活を謳歌していた。 ただ生徒の見た目は派手な高校ながら、意外と勉強にも厳しい高校だったので、遊びすぎると勉強について行くのも大変だったのだが。 だが、その楽しく感じた高校生活も、次第に物足りなさを感じるようになる。 毎日変わらない、刺激のない日々。 翌日に待っているのは、昨日と変わらない日常。 SNSで語り合うのは、テレビで見たアイドルのことか、お笑い芸人の話題か…。 日々の生活で刺激を得るには、自らが、絶えず何か新しいことを追い求めていくしかない。 “これが、わたしが求めていた高校生活だったんだろうか” 友達と駄弁っているだけの放課後に、いつしかサチコは、「何かが欠けてるんだよなあ」と物足りなさを感じ始めていた。
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