第二章

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「それじゃ、行ってきます」 「行ってらっしゃい」 「もし帰ってきたくなったら、いつでも帰ってきていいからね」 「ありがと、イツカ」 「あ、そうそう」 「?」 「あなたが入ってたカプセルに、収納スペースがあるのを見つけたの。そこにこれがあったわ」 「……この板は何?」 「……アカリ様」 「わっ、板がしゃべった」 「板じゃないわ。それはスマートフォン。つい最近まで主流だった携帯端末よ。アカリの名前が入っているってことは、あなたのものね」 「へえ、これが、携帯端末」 「私の動力は蓄電池。ソーラーと振動、その他もろもろで勝手に充電できますので、方のポケットにでも入れて持ち運びください」 「あ、このポケットはそのためにあったのか」 「さて、スマホも渡したし、あとは行くだけね。忘れ物はない?」 「うん。……いや、やっぱ二つある」 「え!? 二つって、何を……」 「クラシキ」 「あっ……。まったく、いきなり抱き着いてくるなんて、私が対応できなかったらどうしてたのよ」 「そんなことはないよ。イツカも、ハグして」 「わかった」 「……」 「……がんばれ。私たちはいつでも君の味方だ」 「…………」 「おっと、泣かせてしまったか!?」 「……ううん、旅立ちで泣くなんてカッコつかない真似、私はしないもんね!」 「……うん」 「それじゃあ二人とも、行ってきます!」 「行ってらっしゃい」「行ってらっしゃい」
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