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「zzzzz」
「……まだ寝とるか。老いると朝が早くなっていかんな」
「……どうかされましたか?」
「五十六型……。ここじゃなんだ。縁側で話そう」
「そうですね」
「驚いたぞ。まさかお前が、アカリを連れてここまでくるなんてな」
「私も驚きました。まさかまだ残っていた生体反応があなただったとは」
「ふん、ひとこと余計なのは昔から変わっとらんようじゃな」
「あなたも、カッとなりやすいのは変わりませんね。その喉も」
「……」
「耳裏の生体埋め込みデバイスを『気持ち悪い』と半ば強引に引きちぎり、その後遺症で声を失う。しかし自力で外部補助デバイスを作って声を取り戻した天才」
「そんなことを言っておっても何も出んぞ」
「わかっています。……あの子に、孫に素性を言わなくていいんですか?」
「ふん、分かり切っておろう、五十六型。今のあの子にその情報は不要だ」
「しかし、人間には不要でも持っておくべき情報があると、私はあなたに教わりました」
「あぁ、……そうだったか」
「あなたも共に来ますか? アカリの成長を間近で見られますよ」
「いや、いい。わしは、この家から離れたくはない」
「そうですか。……残念です」
「さて、空が白んできた。もうじき、朝だ」
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