第三章

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「これが、空港か」 「今でもシステムは八割がた生きとるはずだ。そいつがポンコツでない限り、飛行機はちゃんと飛ぶ」 「私は優秀ですので、これくらい余裕です」 「って言ってるので、大丈夫だと思います」 「そうかい。……そうだ、お守りと言っちゃなんだが、これを持っていけ」 「これは?」 「スタン警棒って名前でな。それを直接当てれば、そこらの警備ロボットならイチコロだ」 「へえ……」 「電流流すボタンにはカバーがついてるから、使うときはそれを開けて使え。くれぐれも、相手に取られて自分で食らわんようにな」 「わかりました」 「……それじゃあな」 「……ん、どうしたんです? いきなり頭なんか撫でて」 「老いぼれは頭を撫でたくなるんだよ」 「なるほど」 「……よし、行ってこい」 「……はい、行ってきます」
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