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「桜色のベールか、
いいんじゃないか?
咲良に似合ってる」
鏡の前に座る私に、
それは鏡越しに響いた彼の声。
白いタキシードに身を包み、優しく微笑む男性(ひと)。
「そう、かな?」
そうだといいな。
あの日、風馬が掛けてくれた桜の花弁のベール。
あの時に決めたんだ。
いつか、ベールを纏う日が来たら……
こんな淡い桜色がいいって。
完
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