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「アカネちゃんも、すっかり大人の女性になって!」
母は、化粧が濃くなってケバくなったアカネの事を、いろいろ事情は、僕から聞いて知っているのを隠すように褒めていた。
「え~、ホントですかぁ~?私から言わせれば光一君のお母さんの方が昔から美人でまるで女優さんみたいって今でもそう思いますよ~!!」
僕は、アカネのその言葉を聞きながらチラッと母の顔を見上げた。少し頬が赤くなっていて一瞬ドキッとしてしまった。僕は、最近何度も母にそう感じさせられる事が多くなってきたと思いながら運ばれてきた麦茶を少しだけ口にした。
「ところで、光一。久しぶりに三人で、やらねえかい?」
母が、僕の部屋を出て行った後、タケルは、このタイミングで3Pを誘ってきた。
「いや、さすがに……しかもこの部屋じゃ……」
僕は、やりたくないわけでは無かったが一応表面的には、やんわりとタケルの誘いを否定した。
「タケル!久し振りに光一君に会えたのに変な事言っちゃダメだよ!!」
アカネは、これまた随分と短いスカートを履いていて、座っているせいか、ぶっちゃけパンツが丸見えだった。
「じゃあ、せめて葉っぱでもやりますか?」
タケル……マジか、お前。僕は、代わり映えのしないタケルに少しだけ呆れてしまった。
「まだ、マリファナなんてやってんのかよ。やめとけ、やめとけ!!」
今の僕は、二人に会えただけでとても幸せな気分だったので、その気分を壊されたくなかったのかも知れない。
「お前、まだこの町に居続けるつもりかよ?」
タケルは、何かを企んでいるような、そんな表情、目つきをしていた。
「光一君、急で悪いんだけど……」
突然、アカネが立ち上がって僕にお願いのポーズをしてみせた。
「えっ!何々?」
驚いた僕は、その時アカネよりもタケルの表情を伺っていた。
「十万円。貸して欲しいの……」
「十万円!?どうして?」
「私、妊娠したの……」
「妊娠!タケルの子供か?」
「まあ、そう言う事で……」
タケルが、会話に入って来てアカネと同じ様なお願いポーズをとった。
「下ろすのか?」
僕は、アカネに向き合って穏やかな振りをして問い詰めた。
「だって、まだ私達赤ちゃんなんて。産んでも育てられる自信がないの……」
「ちょっと、待ってね!」
僕は、机の引き出しにしまってあった貯金通帳を取り出した。
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