はじまり

3/6

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
イチ助:おぅぇっ? いいのっ? 観に来てくれるのっ?     というかそんなデカい声出せたんだ! チャ太って! チャ太:いや現場で何かあった時はいつも大きな声出しているでしょ、僕。 イチ助:俺はほら、現場のことよく知らないから、隠れて釣りとかしているし。 チャ太:それは本当にダメだと思う。     まあそれを咎めるのは僕の役目じゃないし、     今の僕の役目はイチ助のお笑いステージを観に行くことさ! イチ助:良い役目だなぁ、でもその役目、終わるかもしれないよ? チャ太:……まあ観に行けば終わるだろうけども、何? その言い回し。 イチ助:まだシメジ! チャ太:……秘密? イチ助:いいね! ツッコミ向いてるよ! チャ太:イチ助はちょっとボケが向いていないかもしれないね……。 (お笑いステージの会場の外観(ここからのカッコ内は一枚絵で表現)) (舞台に立っているイチ助、それを観ているチャ太) (ネタをやっているイチ助にゴミが投げつけられている、あわあわしながら見ているチャ太) (ネタをやったロボットや人間が全員ステージ上に立つエンドトーク) (そこで変なポーズをしているイチ助、またゴミが投げつけられている) (もはや呆れている表情のチャ太) (場面転換) (夜の公園) イチ助:愛され系でスマンな、へへっ。 チャ太:いやもう正直に申し上げると嫌われ系でしたけども……。 イチ助:俺さ! 才能無いんだよねっ! チャ太:ハッキリと言い切りましたね……。 イチ助:でもさ! 俺! お笑いがやりたいんだよ!     この世界ってさ、土木工事ロボットとして作られたとしても、     好きに仕事を選んでいい世界じゃん! チャ太:世界だなんて大きく言いましたね。 イチ助:だって世界って大きいじゃん。 チャ太:世界は、大きい……。 イチ助:そう! 大きいモンを大きいって言うのは普通だろ!     やっぱ俺嫌なんだよね! 最初からレール敷かれているのっ!     土木工事ロボットだって言われた時、即、別なことやろうって思ったもん! チャ太:……でも、僕は、僕とイチ助は、     土木工事ロボットとして最適な機能を持って生まれたんだよ、     一番向いていることをしたほうがいいと思うんだ、あっ、僕はそう思う。 イチ助:チャ太って真面目なようでバカだね。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加