はじまり

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チャ太:……どこがバカなんだ、僕はいつも真面目に土木工事をおこなって! イチ助:何にも他を試していないのに、1つだけやって向いているっておかしいよ。 チャ太:……! イチ助:で俺は分かったんだ! 俺はお笑いに向いているって! チャ太:……それこそ向いていないよ、お笑いステージでゴミまで投げつけられてさ!     さっき言ったじゃん! 才能無いって自分でっ! イチ助:これから作り上げればいいだけじゃん。 チャ太:作り上げていいんだったら向き不向き関係無いじゃん! イチ助:そう、向き不向きなんて言い訳だよ、才能なんて言い訳だよ、     全部全部作り上げてしまえばいいんだ、書き換えてしまえばいいんだ。 チャ太:……そんなこと、絵空事だ……。 イチ助:試していないのに絵空事だなんてバカじゃない!     自分の理想を勝手に作って、     自分の才能を勝手に作って、     自分の未来を勝手に作るんだ!     全部自分勝手だ! そうやって生きていってやるんだ! チャ太:……じゃあそうやって生きていけばいいんじゃないでしょうか。 イチ助:はい! 他人事みたいになった! 今! チャ太:……他人事でしょう、これは。 イチ助:残念、俺の目は誤魔化せないぜ!     チャ太、オマエ、お笑い大好きだろ。 チャ太:……いやまあ観ることは好きですよ、だから興味があって観に行ったんです。 イチ助:そうだよな、俺とオマエは別にそんな親しくないもんな、     親しくない間柄なのに、誘ったら観に来てくれてビックリしたよ。 チャ太:その事実とイチ助の考え方は関係無いでしょう。 イチ助:関係ある! 関係あるようにする! チャ太:あるようにする、って、     無理して結ばないといけないのなら結ばなくていいですよ。 イチ助:いいや結ぶ! 俺と漫才コンビを組まないか! チャ太:……えっ? イチ助:オマエのツッコミはいつも面白い!     俺は才能なんて作るものだと思っているが、     チャ太、オマエにはツッコミの才能が既にある!     あれかな、人間たちとうまくコミュニケーションしているから備わったのかな?     そうやって作られていったのかな? 羨ましいぜ! コンチクショウ! チャ太:う、羨ましいだなんて……。 イチ助:一回でいい! 俺と漫才コンビを組んでくれ!
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