#一重からはじまるプロローグ

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さらに、彼女は浩市の手持ち無沙汰になっている手を取り上げ、自らの胸の膨らみへと案内する。 嬢たちの店内での衣装は薄手のワイシャツに申し訳程度のビキニがデフォルトのようだ。浩市の手はこんもりと盛り上がっている彼女の胸の膨らみを確保した。 「ええい、ままよ。」 どうせ遊ぶなら流れに任せきる。そう思った浩市は一気に加速する。 「ボクはどこまでが許されるんですか。解らないので教えてください。」 「ホントに可愛いのね。あなたみたいな可愛い人なら何をしてもOKよ。だけど最後までは無理よ。」 親子ほどとは言わないまでも、かなり年下の彼女の口調は明らかにおねいさんだ。こういった雰囲気に慣れていない浩市は、そんなおねいさん口調の彼女に甘えることにした。 「じゃあ、この中も直接トライしてもいいんですか。」 浩市の指しているのは胸の膨らみのことである。 ミキはニッコリと微笑んで、浩市の手をビキニの中へと導いた。絹のような肌触りのする温かい丘陵は、彼の手のひらの中にちょうど収まるぐらいの程よい大きさ。その頂点にある突起も浩市の指に挑戦するかのように固く起立していた。 さらに彼女は両の胸を寄せて、その中央に浩市の顔を埋もれさせた。その時気づいたのがミキの体臭である。 浩市にとってどこか懐かしさを感じる心地よい匂いであった。 「ミキさんは香水をつけないんですか?」 「そうね、昼間も仕事してるから、派手な匂いの香水はつけられないのよ。」 「ミキさんの匂い、ボクが好きな匂いです。」 「うれしいこと言ってくれるのね。口がお上手ね。」 おねいさん口調のまま、その流れに翻弄されて、やや圧倒されがちな浩市はミキの胸の膨らみを指し、加えて甘えるような目線で、その先の行為に対する許しを請う。 「ここにキスしてもいいですか。」 「もちろんいいわよ。」 ミキはニッコリ微笑んで答えた。 優しい笑顔で答えるミキに導かれながらも、浩市は若干の罪悪感を味わっていた。 それなりの店とはいえ、一般的に妻と呼ばれている官軍たちが聞けば、それなりの違和感を持つだろうと思われる行為だと思ったからである。 「これは絶対に言えないな。」 心の中で自答していた。しかし、だからと言って止められる筈もなく、浩市の手は心地よい柔らかさに翻弄されている。
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