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電車内に入ると、その少年は私のとなりに陣取って座った。
そこしか空いていなかったとはいえ、そこに座るかな、と私は気まずさに冷や汗をかいてカチコチに固まってしまった。
しかしすぐに疲れが緊張を上回り、眠りの淵に沈みこむ。
目覚めると私は、何と、となりの少年にもたれかかる形になっていた。
(ひゃああ…!ますます気まずい状況に…!)
あわてふためく私をよそに、少年はなにくわぬ顔で読書をしていた。
そして私は自宅の最寄り駅でそそくさと降りた。
少年はそこまでは追ってこなかった。
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